国際教育
2018年度第13回欧州英語討論会は10月27日から11月3日にかけ、ナバラ大学(スペイン)とリスボン大学(ポルトガル)を訪問し開催されました。
欧州英語討論会は2006年に学部生の要望を受け実施に至りました。2011年より、欧州英語討論会は経済学部特殊講義として位置づけられ、単位が認定されるようになりました。本討論会はGlobal Studies in Economics(経済学部海外学修プログラム)の中で一番古く、本学部の国際教育を牽引している中心的なプログラムです。例年履修希望者が多いので、書類審査と面接により成績優秀で国際交流に関心が高く、英語討論に意欲的な学生を選抜しています。
本年度は学部2年次1名、3年次5名、4年次3名、博士課程前期1年次1名、計10名を履修者として選びました。
さて、訪問大学の一つ、ヘミングウェイの「日はまた昇る」の舞台となったパンプローナにあるナバラ大学は1952年に設立された比較的新しい総合大学ですが、そのビジネススクールは世界のトップクラスです。在学中欧州英語討論会に参加した本学部卒業生が企業派遣によりナバラ大学ビジネススクールに入学したことから、ナバラ大学での開催が実現しました。
ナバラ大学では“Declining Birthrate and Immigration”について討論した後、María Isabel Rodríguez Tejedo教授がテーマに関連付けた内容で授業を行ないました。授業は教授と学生との意見交換により展開され、欧州英語討論会のメンバーも現地の学生とともに積極的に意見を述べることができました。キャンパスツワーでは大学教育で蓄積した知識を実践的に活用できる建築ラボ、美術館、シアター、スタジオなどの施設を視察しました。
翌日、Francesc Pujol Torras教授とJosé Luis de Cea-naharro Romero教授の企画により、Bodega Otazu(ワイン醸造所)をナバラ大学経済学部生とともに企業訪問することができました。Bodega Otazuの経営者は芸術に造詣が深く、芸術家支援のために財団を設立しています。表現の場として、醸造所を芸術家に提供したり、経営者自らも醸造所の隅々に工夫を凝らし審美的要素を取り入れています。その結果、最近ではBodega Otazuの見学者や利用者が増加しています。展示された美術作品は現代アートが主流で鑑賞するだけではなく体感できるものあり、両大学の学生はアートを通して自然と会話も弾み交流が一層促進しました。
10月31日、パンプローナを後にし、リスボンに移動しましたが、飛行機の遅延やリスボン市内の公共交通機関のストライキの影響を受け、到着時間が大幅に遅れました。
リスボン大学はポルトガルの名門大学であり、ポルトガル最大規模の大学です。リスボン大学ではJose Pascoal 教授、 Alexandra Assis Rosa教授、Antónia Mota教授の協力により、文学部専攻の学生たちと討論会を開催することができました。The Economics of Tourismについて本学がプレゼンテーションをしたのちに、リスボン大学文学部の学生がモデレーターとなり1時間半ディスカッションが行われました。観光都市、リスボンで学ぶ学生が抱える問題が指摘されたり、観光客が文化を侵害するリスクについての質問や議論もありました。討論会終了後、参加した学生の中から有志がキャンパス案内を申し出てくれました。このキャンバスツアーでは随所随所に文学や文化に関連した内容が盛り込まれ、興味深いものでした。キャンパスツアー後、討論会参加者の中で日本語や日本文化に興味関心のある学生たちが欧州英語討論会のメンバーと心ゆくまで語り合いたいということで、交流会が企画されるなど短時間の訪問にも限らず密度の濃い交流になりました。
第14回欧州英語討論会はUniversity of Ljubljana (スロベニア)と Juraj Dobrila University of Pula (クロアチア)を訪問する予定です。2019年4月に募集します。