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経済学部DSEP
(Data Science Education Program、ディーセップ)
 1期生インタビュー

経済学部DSEPに関心を持ったきっかけ

(ご本人の希望でインタビュー対象者のうち1名はAさんと仮称で標記しております。)

鶴見裕之(横浜国立大学 学長補佐・教授): 経済学部DSEPに関心を持ったきっかけを教えて下さい。

五十嵐 大和さん(横浜国立大学 経済学部DSEP2年生): 高校時代は、理系選択のクラスに所属していました。私の高校では1年生の終りに文系・理系を選択するのですが、私は将来、経済系と理工系のどちらに進むか、迷っていました。そのとき、高校の先生から「文転はしやすいが、理転は難しい」というお話があり、理系を選択しました。
 ただ実際に、理系クラスに進んでみると、物理や化学などの理科の科目に強い関心を持てませんでした。このまま、理系クラスを選択したから…という理由で、流される形で理工系学部に進んだとして、将来やってゆけるだろうか?という不安があり、再び経済学部を志すようになりました。
 私自身、数学は好きでしたので、自分の学んだ数学を活かせる経済学部を探していたとき、経済学とデータサイエンスを学べる、経済学部DSEPの情報を目にし、関心を持ちました。

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Aさん(横浜国立大学 経済学部DSEP2年生): 私も高校では、理系選択のクラスにいました。高校の先生の「専門性が身に付く」「就職に強い」といったお話から、理系を選択したのですが、次第に株式などの金融資産の運用に関心が向いてきました。自身の将来を思い描いたときに、理工系学部を出て研究・開発・生産などの仕事をするよりも、経済系学部を出てファンド・マネジメントなどの仕事に取り組むことへの興味が高まり、高校3年生の5月ぐらいからは経済学部も視野に志望校探しをしていました。その中で、予備校、進学塾や本学のウェブサイトで、経済学部DSEPが始まることを知りました。そのとき、大学ウェブサイトのQ&Aのコーナーを通じてDSEPでは理系の強みが活かせる事を知りました*。この記述を読んで経済学部に進むことへの踏ん切りがつきました。夏前には経済学部DSEPを第1志望に設定していたと思います。
 なお、経営学部DSEPについても調べました。ただ、私は企業の活動よりも、世の中の動きや流れ全体に関心があったため、経済学部DSEPを志望しました。

*当該のQ&A、およびアドレスは次の通りです
Q. 私はこれまで理系の勉強をしてきて、文系の勉強はあまりしていないのですが、経済学部のDSEPに入学した場合、授業についていけるでしょうか?
A. 問題ありません。経済学では、数学を中心とした理系の知識は非常に重要であり、多くの分野で応用されています。特にDSEPは高度な数学能力を必要とするデータサイエンスを中心に学ぶため、得意分野を十分に活かすことが可能です。
https://www.econ.ynu.ac.jp/faq/

入ってみて分かった、経済学部DSEPの魅力

鶴見: 入ってみて分かった、経済学部DSEPの魅力を教えてもらえますか?

五十嵐さん: 「経済学」と「データサイエンス」という2つの専門性を身につけられる点です。
 一般のデータサイエンス学部では、特定の領域に絞らずにデータサイエンスを学ぶことになると思います。経済学部DSEPは、当然のことながら専門領域が経済学に絞られています。つまり、この2つが重複する部分、組み合わさる部分にはじめから特化する形で学べます。この点は、他のデータサイエンス学部との大きな違いであり、経済学部DSEPの魅力だと思います。

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鶴見: その他にはいかがでしょうか?

五十嵐さん: 経済学部DSEP生は、入学してすぐに「データサイエンス・リテラシーⅠ」という科目を履修します。その科目では4月・5月くらいから早速プログラミングの授業が始まります。自分が思っていたよりも早く専門的な内容が学べました。この点は、経済学部DSEPの魅力だと思います。
 特に当該科目は、経済学部DSEP生と一般プログラムの学生を含め20名程度の履修者なので、先生やTA(ティーチング・アシスタント)の方にも質問などもし易いため、プログラミングが初めての方でも学びやすいと思います。

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鶴見: Aさんが思う、経済学部DSEPの魅力を教えてもらえますか?

Aさん: 経済学部の一般プログラムの学生が、3~4年に履修するデータサイエンス系、計量経済系の科目を、DSEP生は2年次から履修できます。また大学院を含む5年一環プログラムもあります。本来学部4年+修士課程2年の計6年間かかるはずのところをスムーズに行けば5年間で修士号の学位を取れます。この様に専門性を早く身につけられる点は、経済学部DSEPの魅力の1つです。
 また私自身、先ほどお話しした様に高校時代は理系選択でした。そして、理工系学部に進んだ高校時代の友人の多くが将来は大学院に進学すると言っていますし、経済学部を志す以前から私も大学院に進学するものと思っていました。なので、私自身、大学院に進学することにためらいはありません。現に、DSEP生同期も大学院進学を目指しているメンバーが何人かいると聞いています。私も、5年一環プログラムにエントリーできるよう、まずは定められたDSEPのカリキュラムをしっかりこなし、履修した科目で良い成績がとれるように頑張りたく思っています。

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現役の経済学部DSEP生から高校生、受験生へのメッセージ

五十嵐さん: 自分と同じく理系クラスに進んだけれども、理科の科目に関心を持てず、理工系学部への進学にためらいや迷いを持っている高校生・受験生は一定数いると思います。経済学部DSEPはプログラミングや数理統計に関連する科目などで、高校の理系での学びを活かせる場面が多いです。そのような方には是非おすすめしたいです。

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Aさん: ここまで理系、理系…というお話をしてしまいましたが、高校で文系を選択されている方にも、経済学部DSEPはおすすめできると思います。データサイエンスなので数理系の素養はあった方が良いとは思いますが、経済学部DSEPの必修科目に数学自体は入っていません。また、統計学と数学は違う部分も多いです。
 特にプログラミングなどでは高校時代は文系だった経済学部DSEPの友人の方が、むしろ、理系選択だった私より得意で詳しい、といったこともあります。文系選択の方も、理系選択の方も、経済学部DSEPで柔軟に対応できると思いますので、データサイエンスと経済という組合せに関心がある方は、是非志願を検討してみて欲しいです。

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1年次春学期に受講する「データサイエンス・リテラシーⅠ」(2022年度)の授業計画

第1回 ガイダンス(メールの設定・操作法・授業支援システム・OneDriveの説明)
第2回 Office編 Wordの基本操作
第3回 Office編 ExcelとPowerPointの基本操作
第4回 データサイエンスの入門紹介及びR、Python環境のセットアップ
第5回 R編(1) R入門文法(算数演算、論理演算、ベクトル及び行列)
第6回 R編(2) 関数の利用、作成とパッケージ
第7回 R編(3) データ構造と制御構造(条件分岐とループ処理)
第8回 R編(4) Working Directory、データの読み取りとグラフ・表の作成
第9回 R編(5) 総練習編
第10回 Python編(1) Python入門(各種演算、オブジェクト、リスト、タプル、ディクショナリ)
第11回 Python編(2) 拡張ライブラリと関数の作成
第12回 Python編(3) コントロールフロー(条件分岐とループ処理)
第13回 Python編(4) クラスとメソッド、Numpyとpandas
第14回 RとPython編  実行例の比較及び簡単な分析
第15回 講義のまとめ

1年次秋学期に受講する「データサイエンス・リテラシーⅡ」(2022年度)の授業計画
第1回 ガイダンス(R、Python環境のセットアップ)
第2回 R編(1) ヒストグラムと密度プロット・要約統計量
第3回 R編(2) グラフの作図・ジニ係数とローレンツ曲線量
第4回 R編(3) 関連性・相関関係・因果関係・因果推論
第5回 統計学編(1) サンプリング・母集団・標本分布 ・さまざまな統計分布
第6回 統計学編(2) 正規分布・中心極限定理・大数の法則
第7回 統計学編(3) 区間推定・仮説検定
第8回 R編(4) 線形回帰(1)最小二乗法
第9回 R編(5) 線形回帰(2)決定係数・重回帰
第10回 R編(6) 線形回帰(3)推定係数のt値・p-value
第11回 Python編(1)  Pythonによる線形回帰(statsmodels)
第12回 Python編(2) 機械学習の紹介
第13回 実践編(1) データの取得・加工
第14回 実践編(2) 不確実性の下で意思決定
第15回 講義のまとめ

注:所属・学年等はインタビュー時点(2022年5月)のものです

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