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経済学部LBEEP
(Lawcal(※) Business Economics Education Program、エルビープ)
※Lawcalとは、地域(local)と法(law)を組み合わせた造語です。
 1期生インタビュー

LBEEPに関心を持ったきっかけ

*Lawcalとは、地域(local)と法(law)を組み合わせた造語です。

鶴見裕之(横浜国立大学 学長補佐・教授): LBEEPに関心を持ったきっかけを教えて下さい。

縄田悠希さん(横浜国立大学 経済学部LBEEP2年生): LBEEPに関心を持ったのは、高校3年生の夏休み前です。
 当時の私は法学部志望で、志望校探しのため、各大学の法学部の情報を調べていました。あるとき「横浜国大にも法学部があるのかな?」と思い、大学のHPを見ていました。横浜国大に法学部はなかったのですが、LBEEPという法律を勉強できる、新しい教育プログラムが2021年4月にスタートすることを知りました。
 横浜国大で法律・政治が学べることを知り、それをきっかけにLBEEPに関心を持ちました。

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鶴見: なぜ法学部ではなく、あえて経済学部のLBEEPを志願したのでしょうか?

縄田さん: 私は、法律を勉強し、将来は弁護士、検察官、裁判官等の法律家になりたい・・・というよりは、法律を活用して、社会の課題を解決したい、という希望を持っています。その様な自分にとって、法律・政治を中心に、経済や経営など社会についても幅広く学べるLBEEPの魅力は、法学部の魅力を優りました。

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鶴見: 山谷さんはいかがでしょうか?

山谷真奈加さん(横浜国立大学 経済学部LBEEP2年生): 私がLBEEPに関心を持ったのは、高校3年生の共通テスト直前ぐらいでした。
 私も縄田君と同じで、法学部志望でしたが、法律家志望ではありませんでした。そして、高校3年当時の私にとって、「将来はこの職業に就きたい」という、明確な目標を定めるのは難しいことでした。当時、法学部を志望していたのも、法律や政治の知識を活かして、地域をより良くする仕事をしたい、という漠然とした思いからでした。また、高校の実務家講演で経済、経営に関わるお仕事の話を伺った時も、私にとってはどれも魅力的でした。
 この様に、色々な事に興味、関心があり、将来の目標を定め切れていないからこそ、大学では法律だけではなく、もっと色々な事を学んでみるべきではないか?と思うようになりました。そのような迷いがある中で、改めて大学の情報を探し直した時、法律・政治を中心に経済、経営も学べるLBEEPの存在を知りました。このとき「これこそが、私が学びたかったことだ」と気付き、LBEEPに志願するに至りました。

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鶴見: ありがとうございました。
 なお、LBEEPの他の学生達はいかがでしょうか?おふたりの様に、法律家志望というよりは、社会課題の解決に関心のある方が多いのでしょうか?

縄田さん: 必ずしもそうではないようです。中には弁護士、会計士などの士業を目指している学生もいます。

山谷さん: LBEEPでの総合的、実践的な学びを活かして、起業を目指している学生もいます。

鶴見: 分かりました。
 同じEPに多様なメンバーがいて、互いに刺激を与え合える、良い環境だと感じました。

入ってみて分かった、LBEEPの魅力

鶴見: ではLBEEPに合格し、実際に入学して以降のことについて伺います。
 入ってみて分かった、LBEEPの魅力はどのような点でしょうか?

山谷さん: LBEEPの魅力は、“先生と学生の距離、学生同士の距離が近いこと”だと思います。
 LBEEPの1年生は「導入演習」、「課題発見の手法」、「課題分析の手法」という、少人数の科目を履修します。これらの科目では、学生達の取り組みに対し、先生方から多くのアドヴァイス、ご指導を頂き、本当に親身になって活動を支えて頂きました。また、学生同士も、授業時間以外も準備や振り返りのために話し合いを行うなど、様々な交流がありました。
 そして、この様な距離の近さがあるからこそ、先生方のリードの下、学生同士で課題を深く掘り下げて、解決策を検討することができたと思います。LBEEPの1年次にみんなと学んだこの思考のプロセスは、法律・政治、経済、経営に関わらず、将来のあらゆる場面で有用なものだと感じています。

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鶴見: 互いの距離の近さがあるからこそ、深く議論が出来、学び会えるのは私自身の研究やゼミ生達を指導する過程で得た感覚とも一致します。特に、コロナ禍で世の中全体の様々な交流が制約されている今、先生と学生、学生同士が、近い距離で交流を持ちながら、この様な学びができるのは、LBEEPの魅力の1つだと思います。
 その他にはいかがでしょうか?

縄田さん: 実践的な学びがLBEEPの魅力だと思います。
 1年次の「導入演習」では、広く貧困問題をテーマに取り上げて、課題解決の方策について、調べていました。そのとき、どのようなアプローチをとるべきか悩み、LBEEPに関連する先生方に相談させて頂きました。ある先生から、貧困問題に取り組んでいる弁護士の方を紹介頂き、ヒアリング調査を行える機会を得ました。また、その調査・研究の一環で、フードバンク*の方にも直接お話を伺える機会もありました。こういった機会はひとりで勉強していては、なかなか得られないものだと思います。
 このように、書籍や資料を調べたりするだけではなく、その課題解決に関わっている当事者の方に直接お話を伺う機会を色々と得ることができました。間近に社会課題と接し、その課題解決について考え、課題解決のあり方について検討したのは、学びの多い経験でした。
 *フードバンクとは、安全に食べられるのに包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどの理由で、流通に出すことができない食品を企業などから引き取り、福祉施設等へ無料で提供する団体・活動のこと。

鶴見: ちなみに、上記の科目以外では、経済学部の一般プログラムとはどのような違いがあるのでしょうか?

山谷さん: LBEEP生は、法律系の科目を経済学部の一般プログラム生より1年早く履修できます。具体的には、経済学部の一般プログラム生が2年次から履修できる法律科目を、LBEEP生は1年次から履修できます。同様に、3年次から履修できる法律科目を2年次から履修できます。

縄田さん: それらの科目と並行して、経済系、経営系の科目も履修しますので、分野のバランスはそれぞれのLBEEP生が興味・関心を踏まえて、自分で調整します。何を学ぶべきかを、自分でしっかり考える必要があり、難しいところでもあります。

鶴見: LBEEP生は法律・政治を中心に、経済、経営と広く学んでいるだけではなく、“学生と教員”、“学生と学生”、“学生と社会課題”の距離がそれぞれ近く、実践的な学びに取り組めていることが良く分かりました。
 1年次を振り返ってみると、入ってみて期待通りだったと言って良いでしょうか?

山谷さん: いえ。
 期待以上!でした。

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現役LBEEP生から高校生、受験生へのメッセージ

鶴見: おふたりやLBEEP生達が充実した学びに取り組めていることを、1人の横浜国立大学の教員として嬉しく思いました。
 では、インタビューの最後に、高校生、受験生に向けメッセージをお願いします。

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縄田さん: LBEEPはやる気がある方にはおすすめできる教育プログラムです。正直なところ、できるだけ楽な道に進みたいな…という方には向かないと思います。そうではなく「何かやりたいけど、何をやったら良いか分からない」という、やる気と迷いが同居する高校生・受験生にはLBEEPはうってつけだと思います。

山谷さん: 私は、高校3年時に大学で何を学ぶべきか?迷い、悩んでいました。そのような思いを抱えていたからこそ、横浜国立大学に入り、LBEEPで学ぶ中で、充実し、満足している現状をとても嬉しく思っています。
 「大学で、自分のやりたいことをみつけるぞ!」という強い意志があれば、どんなことでも取り組めるプログラムになっています。先生方も支えて下さいますし、学生同士の横の繋がりも強いです。今後は私たちが先輩になるので縦の繋がりで何かできたらな、と思うこともあります。意志のある方にはおすすめできるプログラムです。そして、その様な後輩達に会えることを今から楽しみにしています。


注:所属・学年等はインタビュー時点(2022年5月)のものです

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