キャリア

インターンシップ体験談

興味をやる気に変えてみせる

横浜国立大学経済学部卒 万木 剛

インターンシップ先:World Trade Center Greater Philadelphia

「どの職業にも、講義ではなく、実際の仕事場でしか学べないものがある。実務を経験することによって培われた判断が理論を補う。」

これは、インターンシップ制度ができる時、1906年にアメリカのシンシナティ大学学長のハーマン・シュナイダー氏が唱えた言葉です。私の体験記を読む皆さんが将来どのような職業に就くかは分かりませんが、“実際の仕事場でしか学べない実務経験”、それがインターンシップによって得られる事実であり、体験であることをまず皆さんにお伝えしておきます。

私がアメリカでインターンシップを実施した最初のきっかけは教官からの誘いでした。「君、アメリカでインターンシップをやってみないかい」という問いに答えるまでに、そう時間はかかりませんでした。もともとインターンに興味があったのもありました が、本大学で第一号として制度を創るお手伝いをするということを聞き、興味がやる気に変わり実施に至りました。

職場はペンシルバニア州フィラデルフィアのWorld Trade Center of Greater Philadelphiaという政府系の非政府組織で、フィラデルフィア市内の企業と海外の企業をマッチングさせるお手伝いをしていました。1ヶ月という 短い期間ではありましたが、上司とともにミーティングに参加したり、レビューを作成したり、データベースを管理したり、ということをやっていました。

私の海外インターンシップの目的は大きく分けて2つでした。一つは第一号としてまず実施すること、そしてもう一つは来年以降のために新しいインターンの受 入先を探すことです。ということで、時間を見つけてはアポを取り様々な人に会いにいきましたが、ここで会った人々というのが皆濃い人ばかりで、人生の幅が 広がりました。やはり目標を設定すると人は動くし、動けばそれなりの成果が得られるということが分かりました。それに、自分が動かなければいけない状況を 自分で作り出すというのが、なかなか面白かった。

職場の同僚はほとんどアメリカ人なので、やはり言葉の問題には最初苦労しますが、私は留学経験 とかはなく英語は日本で勉強しただけなので、自分にできることが何かを考え、常に理解に努めました。分からないことは分からないで済ませず、分かるために はどうするかという考え方が、仕事の上だけではなく人間関係を築いていく上で非常に重要だということを実感しました。言葉というものはしょせん道具なので すから、それを何かを実施しない理由にしてしまうのは非常にもったいない。やっているうちに何とかなる、いや、何とかしてやろうと考え日々過ごしました。 他にも、やはり学生ということで仕事をするということに対しての不安はありましたが、私は日本にいる時にベンチャー企業でインターンのようなことをやって いたので、仕事内容自体はあまり変わらず、自分の経験を活かすことで比較的容易に慣れることができました。やはり自分の持っている知識や経験を活用することが、自分なりの価値を出すことにつながったのだと思います。

それで、私がインターンを実施した結果はどうだったかというと、制度的にはやはり1ヶ月という期間はインターンシップには短すぎるという認識が得られたことが大きかったです。インターンの受入先に関しては、フィラデルフィア市内にはまだまだ受入先として可能性のあるところがあり、今後の制度の普及を期待しています。個人的な成果としては、様々な人との出会いがあった事や、自分でいろいろ考えるきっかけになったことが貴重でした。「人生を豊かにする回り道はお金を払ってでもやるべき」というのが私の行動方針ですので、正直やってよかった と思っています。

私の体験記を読んでくれている方も、ぜひ海外インターンシップでなくてもいいから色々なことに兆戦して欲しいと思います。最初 は不安かもしれませんが、それは皆あたりまえで、私もそうでした。自信というのは何かをやっているうちに次第に生まれてくるもので、生まれてくるのを待っていても何もできないのですから、ぜひぜひ人生を豊かにするチャレンジをしていって欲しいと願っています。