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高校生授業等体験プログラムを開催しました

 8月5日(火)から3日間、高校生授業等体験プログラムが開催されました。
経済学部における本プログラムは、高校生が1日目、2日目は3人、3日目は2人の教員からそれぞれ講義を受け、その後ワークショップの活動を行う形式で進行しています。

1日目

 8月5日(火)はオリエンテーションの後、データ発見の手法・因果推論・グローバルサプライチェーンといった3つのトピックについて講義が行われました。良い統計データを手に入れること、良い分析手法を考えることは現代の経済学において実証研究の重要な基盤となるものであり、その点をゲームにたとえたり、実際の分析手法例を交えたりして紹介することで過程を想像しやすくするものでありました。また、グローバルサプライチェーンの課題と、現代の経済制度をどのように設計するかという課題については近年の貿易問題が大きくなりつつあることからも、高校生にとって問題意識を持ちやすいものであり、興味を喚起するものでありました。

 ワークショップでは、各教員の研究テーマについて概要が紹介されました。本格的な内容を理解することは難しいと思われますが、普段は知り得ない経済学研究の最前線を知るという意味で高校生にとって大きな価値があったのではないかと考えます。質疑応答の時間では研究内容について質問が飛び交い、参加者の理解することへの意欲的な様子も感じられました。実務経験のある教員に対して、その経験を聞くという質問も盛んであり、大学進学の先のキャリアデザインについても想起できる機会になりました。

グローバル・サプライチェーンの授業の導入/1日目のワークショップの様子
グローバル・サプライチェーンの授業の導入/1日目のワークショップの様子

2日目

 8月6日(水)はファイナンス・計量経済学・データサイエンスという3つのトピックで講義が行われました。実際に学部で開講した授業の内容を簡易にした講義形式もあり、大学での学びがどのように広がるかを直接体験することが可能な内容でした。ファイナンスの講義では、貨幣の価値が時間を通じて変わる中でどのように交換を成立させるかという金融市場の基本的な機能の一つが紹介されました。計量経済学の講義では経済学ないしは社会学特有の文脈をもったデータ分析の手法と例が紹介され、統計データから実態社会を把握するための取り組みについての理解をさらに深めるものでありました。データサイエンスの講義ではより広くデータから様々な知見を抽出する取り組みが紹介され、動画配信サービスやスポーツ選手の成績などの予測アルゴリズムの設計について実例が紹介されました。これらの講義では高校で扱う数学で分かるような例も紹介され、数学が経済学で広く用いられていることも理解できるものでした。

 ワークショップでは、教員の研究紹介に加え、データ分析の設計を考えるグループワークも行われました。研究例として、グリーン・トランスフォーメーション(GX)のように近年関心が高まっている点への政策提言や、図書館が本の売り上げを下げるかというような身近な実証研究まで紹介されました。参加した高校生も課題解決や分析にどのような要素が必要かという点を明確にするために積極的に質問し、理解しようとする姿が見られました。また、グループワークでは因果推論のためにどのようなデータがあると良いかという問いに対して参加者どうしで議論を深め、様々な回答を提案しました。

計量経済学の講義の様子/2日目のワークショップの様子
計量経済学の講義の様子/2日目のワークショップの様子

3日目

 8月7日(木)は地域経済学・地方財政の2つのトピックの入門講義が行われました。地域経済学の講義では、国家全体の経済から細分化した地域の経済に焦点を当てることに始まり、日本の地域ごとの経済の特徴について紹介されました。東京一極集中や地方創生といった高校生にとって身近かつ重要な内容がデータを用いて紹介され、問題を具体的なものに変換させられるような講義でした。地方財政の講義ではそこからさらに公共部門の役割に注目して、財政規模の小さい自治体が公共サービスをどのように維持していくかという問題を掘り下げる内容でした。また、経済学部が行っているエディンバラ大学のサマースクールや英語討論会などの取り組みについて、本学の学生から体験の紹介も行われました。

 ワークショップでは、地域連携推進機構地域実践教育研究センターと南三陸研修センターの共同開発ボードゲーム「みんなのまちづくりゲーム in cities」を通じて地域経済の体験に取り組みました。各教員が受け持つゼミナールに所属する学生も参加し、各グループで点数を競うことで非常に盛り上がりをみせました。

地方財政の講義の様子/3日目のワークショップの様子
地方財政の講義の様子/3日目のワークショップの様子

 プログラムの最終日には、3日間参加した参加者に対して修了証が授与されました。
本プログラムによって経済学部での学びや研究について幅広く触れることを通じて、参加者の経済学への興味を強める契機となることを願います。


経済学部3年 学生広報サポーター