国際教育

2011年度交換留学(派遣)生現地レポート

YMさん
カーディフ大学(Cardiff University)
平成23年9月~平成24年2月の月例報告より抜粋

9月:オリエンテーション・新学期の開始

26日からオリエンテーションが開始されました。月曜には全学部の学生と共に、入学にあたっての説明を受け、翌日以降は各自の学部ごとで行われました。私はビジネススクール中のExchange programに所属。ヨーロッパからの学生が多くおり、彼らはエラスムスという欧州内交換プログラムで来ているらしいです。Tutorは日本人の百済先生が担当してくださることになり、moduleの話や過去の交換留学生に関することも話してくださりました。来月からの授業開始に備えて、履修する授業をTutorや留学担当のRose先生らに相談に乗ってもらいつつ、検討しているところです。

10月:授業開始

今月に入って、本格的に授業が開始されました。 私は、Macroeconomic theory, Economics of EU, International Economic History, Modern Japanese Society を履修しています。 課題や読まねばならない文献も多く、忙しくしています。 Lectureだけでなく、Tutorialでの指導があることで、生徒の理解を深め、双方向性を高める教育が行われています。

11月

はやくもweek8を迎えて、授業の内容も本格的になってきました。年明けすぐに課題提出を求める授業が多いため、今のうちから文献を読んで、準備しようと思っています。11月に入り、かなり気温は下がり、また雨も多く、どんよりとした天気が続いていますが、この天気にも慣れました。 授業の内容について報告します。

International Economic History

世界各国の経済史、そしてシステムを考察します。今は、アメリカ経済史をやっており、奴隷制度や南北戦争、二度の世界大戦を経済な観点から分析していく授業です。

様々な学者の見解を比較検討していくため、読むべき文献の量は多いですが、非常に得るものが多いです。

Economics of EU

EU内における財政政策、金融政策について様々な視点から学んでいます。

通貨統合で、各国が独自の金融政策ができなくなることによる、メリットとデメリットを比較しつつ、なぜEUが通貨統合に踏み切ったのか、そして昨今のEUの経済危機の原因と今後の展望について考察しています。

Essay やTutorialなどで忙しくしているものの、充実した日々を送っています。

ストライキ

月末の30日に大規模なストライキが予想されています。私の授業の教授も参加予定で、ほぼ全学的に休講のようです。是非はともかく、スト参加を堂々と告げる教授の姿に、日本との大きな違いを感じました。

12月

大学の授業は16日までで、一月はテスト期間になりほとんどの授業が休講となるため、二月まで授業がありません。ただ、一月上旬提出のエッセイがいくつかあるため、その準備に追われています。

International Economic History

アメリカ経済史を終えて、ロシア経済史に入りました。帝政ロシア時代から、ソビエト型経済、そしてソ連崩壊後の経済を扱っていくようです。本格的な授業開始は2月からですが、ロシア経済については、日本であまり触れる機会がなかったので興味深いです。

Economics of EU

これまでの授業を踏まえて、より具体的で精密な議論がなされています。

通貨統合へ移行するさいの問題点や課題、そしてEU中央銀行とアメリカ中央銀行を比較して相違点に着目しながら議論を深めております。

この授業は大変に進度がはやく、復習も大変ですが、休みを利用して理解していきたいと思います。また最近出された論文をいくつか課題として渡され、それを踏まえてEUの現在の状況についてのエッセイが与えられています。

クリスマス休暇

クリスマス休暇を利用して、ヨーロッパを旅することにしました。

行きたい国が多く、迷いましたが、EUの授業を受けていることもあって財政危機が叫ばれている、イタリア、ギリシャにしました。ギリシャでは駅中心部でデモに遭遇しましたが、思った以上の混乱はなく、やや過剰に報道されているのかなとも思いました。

両国はギリシャ、ローマ時代の遺跡も数多くあり、紀元前のものが現存していることについて深い感動を覚えました。

12月に入って、クリスマスムード一色で、街もそして大学も様々な装飾がされました。

クリスマスあたりから私の寮の友人たちの大部分が帰省したため、ひっそりと年越しをすることになりそうです。

1月:試験期間

1月は試験期間にあたるため、基本的に多くの授業は休講となりました。しかし、月の前半に締切のエッセイが2つ、そして月末に試験が2つあったためその対策をしていました。

International Economic History では、1930年代に世界を覆った大恐慌の原因について書きました。通説、新説を含め、様々な学者の議論を踏まえて、自分なりの考えをまとめました。資料の読み込みは12月の頭から取り組んでいたので、実質1ヵ月近くかかりました。

2月:Spring Semester

試験期間が終わり、spring semesterが始まりました。秋学期と春学期の間に休みがないのは日本との大きな違いでやや変な感じです。授業内容は秋学期の内容を踏まえたものなので、より高度で専門的になってきています。またいくつかの授業でプレゼンを課せられ、その準備もしました。Economics of EU では3000wordsのエッセイが与えられ、昨今のEU crisis の概要と解決策についての記述を求められました。

Public Lecture

こちらの大学では様々な学部がPublic lectureを開講しているので、関心のあるtopicのものには積極的に参加するようにしています。Religion school のイスラム文化や、シリアの状況に関するlecture, European school のEU banking system に関するlectureは興味深かったです。他学部の学生はもちろん、社会人の方々とも交流を持て、ますます知識を広げることができています。

MYさん
サンノゼ州立大学(San Jose State University)
平成23年9月~平成24年2月の月例報告より抜粋

9月:勉強―Mid-term Exam―

噂には聞いていたが、日本とは比較にならないほどの勉強を強いられる。私の場合は英語というハンデもあるので、日本にいたときよりも、10倍以上長い時間を大学の勉強に充てているのではないかと思うほど。ただ、授業は生徒参加型で楽しめるため、このような長時間の勉強も苦ではない。

来週には、一回目のMid-term Examが控えている。授業開始から一ヶ月強しか経っていないが、進度が早いため、試験範囲は各科目教科書100ページ以上もある。週末はまるで受験生のような勉強尽くしの生活となりそうだ。

シリコンバレー

シリコンバレーで暮らしてみて、やはりIT関連での刺激が多い。Evernoteで働いている方に社内を案内していただいたり、Grow!というスタートアップ企業のCEOの方とお話させてもらったりと、こちらにいなければできないことがたくさんあった。

こうした環境で生活する中で、自分もアイデアを形にできるようになりたいと思うようになった。具体的には、プログラミングを学び、IT系のサービスを自らで作りたいと思うようになった。そこで、もちろん学業は優先するけれども、プログラミングの学習も同時にやっていくことにした。幸い、サンノゼ州立大学の4年生の方と一緒に勉強していけることになった。共に勉強する仲間がいることは大きい。土地柄から、ITに興味のある学生は多くいるだろうから、どんどん友達も増やしていきたい。

11月

授業

全ての科目のMid-term Examが終わり、あとはFinal Examやプレゼンを残すだけ。また、2週間前ほどに、次のセメスターの履修登録があった。今回は、アメリカの大学生のほとんどが使うという”ratemyprofessors.com”を使い、慎重に選んだ。

大学主催のビジネスコンテスト

大学主催のビジネスコンテストが2日後に迫っているので、今はそちらの準備に精を出している。最初は英語というハンデがあるから難しいなどという考えもあったけれど、将来海外で働くことを想定してみたら、英語のハンデなんて言っていられないなと思った。最後までがんばりたいと思う。

学外活動

こちらでの学生生活に十分に慣れた分、学外の活動にも参加できるようになってきた。シリコンバレーというだけあって、日本にいては出会えないような方とお話できるのはうれしい。また、来週には、JTPA(技術を志向する日本人プロフェッショナルがシリコンバレーで働くのを支援するためのNPO)の開催するイベントのパネルディスカッションに参加させてもらえることになった。こうした機会を通して、色んな方とお話し、自分の知見を広げていきたい。

12月:Fall Semesterの締め

授業自体は少なく、プレゼンテーションやFinal Examがほとんどだった。アメリカの大学では、Final Examの時期になると死ぬほど勉強するとも聞いていたけれど、そういう人もいれば、そうでない人ももちろんいた。こうして、実際にアメリカの大学で過ごすことによって、ステレオタイプを検証できるのはとても楽しい。

ビジネスコンテスト2位入賞

先月の報告書でも触れていた学内のビジネスコンテストが12月1日にあった。結果から言えば、108チーム中で2位を受賞することができた。テック系スタートアップのメッカであるシリコンバレーにある大学で、こうした結果を得られたことは素直にうれしい。

また、このビジネスコンテストの準備段階や本番において、「英語で」の実践ができたのがよかった。「英語を」学ぶのではなく、「英語で」学ぶことをとおして、さらに深く英語を学べたと思う。そして、ビジネス関連の英語を身につけられたことも、将来的に考えて大きな収穫だったと思う。

1月:2012 Summer

先週半ばから、2012 Summerのセメスターが始まりました。新たなスタートです。授業については、ratemyprofessor.comを利用して、「難しさ」ではなく「面白さ」を優先して選びました。その結果、なかなかタフな授業をとることになりそうですが、その分得られるものもあるのかなと思います。

Language Exchange

冬休みに時間があったので、Language Exchangeのコミュニティに入ってみました。わかりやすく言うと、日本語を学ぼうとしているアメリカ人(他国から来ている人も少し)との交流です。Facebookでそのグループを見つけて、入ることに決めました。そのコミュニティの面白いところは、大学のそれとは違って、メンバーのバックグラウンドが全く違うということです。年齢は20?50歳と多様ですし、職業についてもエンジニアさんから元ELTの先生までバラエティーに富んでいます。日本語を学んでいるアメリカ人といっても日本語は片言しか話せないのが常なので、僕にとっては英語の練習になっていい環境です。もちろん、日本語も教えていきたいとは思います。

2月:2012 Summer Smester

今セメスターでは4つの授業をとっているのですが、その内2つについて簡単にレビューします。

まず、Regional Economicsの授業。この授業については、留学前から受講したいと思っていました。というのは、シリコンバレーを規模の経済の視点から見てみたいと思っていたからです。実際、今のところは基礎的な分野の解説がほとんどなのですが、たまに出てくる例にサンノゼ周辺の地域が使われることもあり、そこは楽しく聞いています。

次に、The Political Economy of Privatizationの授業。授業の内容は、名前とはややずれますが、起業家論(企業家論)です。具体的には、ハーパー、カーズナー、ハイエクらの文章を週に100ページほど読み、担当の生徒がプレゼンする中で適宜ディスカッションという構成です。

サンノゼ 気候

サンノゼは、先週は連日20℃以上を記録するなど、たいへん過ごしやすく、永住したくなってしまうほどです。また、今年は異常気象もあり雨がほとんど降っていません。現に、折りたたみ傘を日本から持ち込んだのですが、半年が経ってまだ一度も使っていません。また、この素晴らしい天気は、シリコンバレーが各国から優秀な起業家を集める一因だとも言われています。アメリカでIT系の産業集積地というと、ボストンも挙げられますが、少なくとも気候にかんしては、シリコンバレーに軍配が上がると感じました。

サンノゼ 物価

物価は日本より全体的にやや低めな感じがします。円高の影響が大きいです。

そして、WalmartやTargetなどの大型グローサリーに行って、大容量のものを買うとかなり浮きます。

以下、思いついたものの価格を羅列してみます。

- ビッグマック $3.70
- コーラ 1缶:0.80、1L:1.50
- たまねぎ 1lb $1.50
- 牛ひき肉 1lb $3.00
- スタバのトールフラペチーノ $3.60
- お米 6kg $12.00 (おいしいお米売ってます)

KTさん
シドニー工科大学(University of Technology, Sydney)
平成24年2月~9月の月例報告より抜粋

2月

英語コース

英語のコースには非常に日本人が多い。14人のクラスで9人ぐらいが日本人である。

シドニー人種のるつぼであり、やはり学内にもいろんな国から来た学生がいる。特に、中国、韓国のアジア系が多い。オリエンテーションなどにたくさん参加していろんな人と交流する機会を設けたが、発音などに癖があるものの、みんな英語が堪能である。また勉強しようという意欲が高く、志も高い。

部屋探し

寮の予約が結局できなかったので、最初は安いホステルを一週間だけ予約しておいただけなので、その一週間中に部屋を見つけようと必死だった。インターネット、人づて、電柱にはってある募集など手段を問わず探して、電話で実際に20くらいの部屋を訪問して納得のいくところを見つけることができた。見つけるまでの間、夜はホステルで寝るだけ、それ以外は学校の図書館にこもって部屋を探していた。

シドニー物価

シドニーは物価が高く、お金がかかるところがお金のない留学生にとってつらいと思う。たとえば、自販機でペットボトルのコーラを買おうとすると1つ3.5ドルくらいするし、外食すると一食最低8、9ドルくらいはする。部屋代ももちろん安くない。

8月

大学に関する近況

毎週一科目につきたくさんのリーディングが課され、さらに宿題もたくさんあるため、図書館にこもる日々が続いた。また、中間試験が近付いてきて、休むまもなく勉強するしかないといった状況である。

個人の状況

宿題について初めて、出されたものがたった600字のものだったけれど、それを完成させるのに一週間ぐらいかかった。というのも、資料を探すのがとても大変だったからである。こちらではほとんどの宿題にリファレンスをつくること当たり前で、そのやり方も厳しい。また、最適な資料を探すためには膨大な量のリーディングを英語でこなさなければならず、四苦八苦している。

その他

個人的に最近は充実している気がして楽しい。 その理由の一つが今住んでいる場所かもしれない。今はフラットシェアしていて、同じ部屋にアメリカ人、他の部屋にデンマーク人2人、韓国人が住んでいてとてもマルチカルチュアルな場所である。 とくに同じ部屋のアメリカ人から学ぶことが多い。

9月

大学に関する状況

春学期のmid-semester のテストが終わり、ちょうどテスト休みの最中である。ただ、テスト休みと言っても、休み中に課題がある学生も多く、図書館に行くと勉強している学生も多く見かける。

個人の状況

今学期から、UTSの日本語のクラスでアシスタントとして、教えることになった。日本に興味を持ってもらえるというのはすごくうれしいことだし、自分がネイティブの日本人として少しでも彼らの勉強に貢献できればいいという気持ちでやっている。

10月

大学に関する近況

期末試験、学期末が近づき、それに伴い課題なども増えて学生は忙しい状況である。 特にグループワークのプロジェクトのプレゼンテーションなどもあり、学内では多くの生徒が夜遅くまで勉強している。先週に行ったグループプレゼンテーションでは、うまくいかなかった。

個人の近況

周りの友達がアジア人が多いことと、今取っている1つの科目がオーストラリアとアジアの経済関係についてなので、最近アジアの国々についていろいろと興味が強くなってきたと思う。オーストラリアはアジアとの関係が経済的にすごく強く、アジアは重要な要素である。恥ずかしながら、オーストラリアに来る前にはアジアの国々についてほとんどと言っていいほど知識と理解がなかったが今はある程度の理解、興味を得たという点で国際感覚が身についてと言えるだろうか。

その他

オーストラリアへの留学のいいところの1つが週20時間まで学生は働けるというとこだ。もちろん、留学の目的は勉強することであり、アルバイトばかりしていたら本末転倒になってしまうが、20時間までとう制限もあるし、異国の地で働くということはとてもいい経験であると思う。 というのも、日本人留学生の友達が、日本のレストランを顧客として扱っている小さな広告会社で最近働き始めていろいろと学ぶことも多いと聞いたからである。 日本の顧客と会社をつなぐ役割を果たしており、オーストラリアの働く環境だけでなく、在豪日本企業ではあるが日本の仕事環境についても客観的に学べるのではないかと思う。

11月

大学に関する近況

他学部は試験の代わりにレポートなどが多く11月の頭には授業もなく試験もなく夏休みが始まっている学生が多かったが、BUSINESS FACULTYは基本的に期末試験があり、それもとうとう終わり、僕のUTSでのすべての学業が修了した。3つの試験があったが2つについてはグループアサイメントの評価がよかったので、比較的によい成績が取れると思う。

余談であるが、UTSの工事中のクレーンが倒れてシドニーではちょっとした騒ぎになった。

個人の状況

留学終了

NFさん
オスナブリュック大学(University of Osnabrück)
平成23年10月~平成23年12月の月例報告より抜粋

10月

Welcome Week

留学生向けのオリエンテーションが毎日のようにありました。銀行口座や学生保険の加入も全てオリエンテーションに組み込まれています。オリエンテーションは英語とドイツ語で行われ、チューターの生徒たちがとても丁寧に案内してくれました。

2週目にはドイツ語のクラスがありテストの点数に応じてクラスに振り分けられます。

そして3週目からは大学が始まります。ドイツ語が十分でない生徒は大学が始まってからもドイツ語のクラスを履修できます。履修登録は国大のようにすべてオンラインで行います。人気の授業は抽選で無く早い者勝ちなので、履修登録開始日に予約しないと埋まってしまいます。

大学の寮

一人ずつ部屋が与えられ、2つのバスルームとキッチンをスロバキア人の男の子とアメリカ人、スロベニア人の女の子達と私の4人で共有しています。みんな交換留学生というのもあり、すぐに仲良くなることが出来ました。

また、大学が始まるまでの2週間には留学生向けの1日旅行やパーティーなどが催され、そこで多くの友達を作ることが出来ました。

授業

ほとんどが1コマ2時間で、私は「ドイツの文化」、「ビジネスにおける国際文化の違い」、「イギリスの法律」、「アフリカの歴史」を履修しています。前の2つの授業はドイツ語で行われ、後二つは英語で行われています。また、ドイツ語のクラスも並行して履修しています。これは1時間30分の授業が週4回あります。

さらに国大の健康スポーツのようにスポーツクラスもあり、無料で履修できるものもあれば有料なものもあります。有料のクラスは1セメスターで?35なので経済的であると思います。私は有料クラスのフェンシングを履修しています。

その他

学生証があると市内のバスと同じ州内の鈍行列車が無料で乗れるので、週末はブレーメンやミュンヘンなどの近くの都市に旅行に出かけたりしています。

12月:2週間のホームステイプログラム

12月は初めの二週間だけが授業で後は冬休みとなります。 オスナブリュック大学はヨーロッパの学生が多いのでほとんどは地元でクリスマスを過ごすために帰国します。有料ですが、帰国しない留学生のために2週間のホームステイプログラムなども用意されており、それに参加した友人もいます。